トライデントBlog

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税理士の中川です。 本日は御茶ノ水事務所ではなく、沼津事務所にて勤務しています。

業務の合間に、古い友人から着信がありました。曰く、
「親が所有している賃貸不動産を売却するか、賃貸継続するか、親が悩んでいる」と。
自分が力になろうといろいろな知人に聞いたら売却は税金が高いし、資産管理会社作ってそこに所有物件を所有させたら相続税かからないからそっちの方が得なんではないか？と。

これってどうなんだろう、教えて。という相談でした。
法人を設立して、個人で所有している不動産を、（賃貸不動産はもちろん、2つある自宅も）所有させたら、相続税はずっとかからないのではないか、と。
ある意味間違ってはいないのですが、本当にお得かどうかは彼のケースでは（なんとなく親御さんの状況も知っていたので）かなり疑わしいです。

そこでもう少しヒアリングしてみました。

・賃貸マンションを1室と、住宅を2つお持ちとのこと。
・賃貸不動産は古く、今後入居者が現れるかどうかは不明（現況は賃貸している）。
・自宅は１つは東京に、もう１つは伊豆にあり、地方は賃貸に回せる可能性が低いと思われる。
・売却したら高い税金とられて終わりであるが、法人所有で継続したらずっと税金かからず不動産を維持できるのではないか？と思っている。
・親御さんの相続人は配偶者と子供4人。

さて、どうなるでしょうか。

中川からの回答です。

・今は不動産が比較的動いている時期。地方はまだ厳しいとはいえ、将来もっと厳しくなるのでは？
・売却したら税金が高いといいつつも、最大でも売却額の20％を超えることはないので手残りはかなりあるはず。 （相続取得物件とのことで、むしろもっと税率など低くなる可能性が高い。ここでは詳細は省略）
・法人所有で相続税を回避すると・・会社の決算を毎期赤字にするような感じであれば相続税評価は下がるかもしれないが、 維持費用として赤字でも税金7万円かかるのと、税理士報酬が最低でも10万程度はかかるって認識ないでしょ。
・親御さんの相続人は5人いるから、相続財産が6000万までは相続税無税だけれど、それ以上の財産をお持ちなのでしょうか？ 自宅も親族が同居していれば評価減があるし、賃貸不動産も評価減あるのに。

そんなわけで結論。
・相続税はかからない可能性が高いので、法人設立する必要なし。
・法人設立しても所有形態が不動産から株式に代わるだけなので必ずしも相続税がかからないとは限らない。
・相続税回避できたとしても、その代償として法人の維持費用に赤字でもかかる税金が7万円、その他に税理士報酬等が最低でも年間10万程度はかかるはず。。
・長いこと毎年20万も払って、どの程度節税できるのかというと、・・・節税メリットなし。
・自宅などどうしても維持したいものなら別ですが、長男に全部引き継がせたいとかの方針がなければ、悪いこと言わないから不動産が高い金額で売れる時期に処分が望ましい。
・結局法人設立が得かどうかは保有している資産の状況によって変わるので、財産の状況を把握していない人が相談しても結論出ない可能性がある（今回は明らかに法人設立が不利ですが）
・そんなわけでお父さん連れて一回相談にきてください。初回お話し伺って概要お話しして済むなら報酬などは特にいただきません！

文章にすると疑問点たくさんあると思いますが、実際にはもう少し解説しながらお話ししました。
なぜそうなるかわからない方、どうぞ気軽に聞いてください。
またご相談がある方、気軽にお電話くださいね。
27年以降、相続税がかかりやすくなって不動産所有される方などは考えなければならないことがたくさんできました。
専門家に相談すると、次にすべきことが見えてくるかもしれません（笑）
さて、御茶ノ水の事務所にもどりましょうか。 台風ですが、新幹線、動いているといいな、と。
ではまた次回お会いしましょう。