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トライデント会計事務所に関する情報発信
起業時の形態をどうするか(法人と個人事業)
admin (2016年08月17日 01:53)
御茶ノ水の税理士、トライデント会計事務所の中川です。 先日「決算期はどうやって決めましょう」という記事を書きましたが、これに関連して、法人と個人事業どちらでやったほうがよいのか?という質問を受けました。 本来は様々な要素のうちどれを優先するかという話なので、ご相談に来て頂きヒアリングさせていただかないときまらないのですが・・・少し乱暴にまとめてみます。
まず大前提で、法人形態でないとビジネス上仕事がとりづらいという方がいます。
取引先が大企業等で法人形態でないとアカウント(顧客口座といいますか)をひらけないとか、商売の信用上、個人では仕事がとりづらいような場合です。
このような場合は選択の余地はなく、法人でビジネスを始めていただく必要があります。
上記のようなことがない場合・・・個人事業から始めて消費税の免税を2年~数年とってから法人成りが最も税金的なメリットが大きいと感じます。
この形態のもっとも大きなメリットは消費税の免税が個人事業時代で最低2年間、そのあと法人なりすることでもう2年消費税の免税事業者となる点です。 (最近は消費税改正が入っているので、注意しないと1年で免税が終わったりもします…要注意です)
税金というと利益に対しても法人税や所得税がかかるのですが、その影響よりも消費税がかかるかからないという点の影響度のほうが大きい場合が大多数なのです。
法人・個人事業の利益に対する税金については税率差があり、稼ぐ利益の状況に応じてどちらの形態が有利になるかという点はかわります。 ざっくり申し上げると利益が少ない状況では個人事業が、多くなればなるほど法人が有利です。
起業当初の場合、利益が大きくは出ないことが多く、そうなると利益に対する税金としては個人事業の方が有利になります。
しかしそんな利益が少ない場合でも年間売上額が1000万を超えるような状況になりますと、その2年後から消費税がかかってきます。
この負担が起業して数年の事業にとってはかなり大きいのです。 したがって消費税の納税を合法的に回避できればかなりの額の節税ができることになります。
(この辺りはご相談にいらっしゃっていただいてどの程度の売上当予測されているかヒアリングさせていただければ具体的にいくらくらい節税できるかご説明できます)
個人事業も法人も一定の要件を満たせば少なくとも初めの2年間は消費税が免税になります。
とすると、個人事業で初めてその後法人を設立すれば少なくとも4年間は消費税の納税を回避できます。
これが法人よりも個人事業から始めていただく方がメリットが大きいと申し上げている根拠です。
なお、いきなり法人化すると他にも
・法人は社会保険の加入が必須(→給与額の14%くらいを会社も負担する必要ある)
・赤字でもかかる税金が高い(最低でも7万円)
・法人は設立に25万~30万程度お金がかかる
などのデメリットもありますのでその点でも個人事業からが良いと思います。
なお、法人からはじめるメリットも一応りまして、端的に申しますと一定の利益に達すると、それより先は利益に対する負担税率が、個人事業より法人を介した方が圧倒的に少ないという点です。
(いくらくらいから所得税の方が負担が大きくなるかは、概ねですが課税所得で500万程度いっていれば法人の方が有利になるはずです。)
ということで乱暴にまとめれば個人事業から始める方が有利になる可能性が高いと思われます。
しかしながら上記は一般論で、あなたにとって最適かどうかはわかりません。
どのような商売やサービスでどの程度の初期投資があり、どの程度売り上げを見込むかによってどちらを取れば有利かどうか決まりますので。
事業を開始する方、法人を設立しようとされている方は、まず初めにあなたの状況をきちんとヒアリングした上で、上記のことをトータルで相談に乗っていただける専門家にご相談ください。
自分だけでは気づかなかった着眼点をまじえて役に立ってくれるはずですし、おそらく税金的な面でも長い目で得をすると思います。
そんなわけで最後は宣伝ですが、起業前にはぜひご相談ください。初回無料ですのでお気軽にどうぞ!